広告特集 企画・制作:朝日新聞社メディアビジネス局
主催:アース製薬株式会社 
共催:朝日新聞社メディアビジネス局

後援:公益社団法人日本医師会、東京都、厚生労働省
協力:公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

第2回 アース虫ケアセミナー2021 オンライン開催 採録 第2回 アース虫ケアセミナー2021 オンライン開催 採録

5月30日(日)「第2回アース虫ケアセミナー2021」がオンライン形式にて開催されました。
これからの季節に気になる「虫」に焦点をあて、虫の生態や虫を媒介する感染症などについて4名の専門家・専門医が講演を行い、
視聴者から寄せられた疑問に答えるかたちでトークセッションが実施されました。

グローバル化によって加速する生態系異変

五箇 公一(ごか・こういち)先生国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター 室長

五箇 公一 先生

地球上の生態系システムは、生物多様性の世界によって支えられています。しかし、生物種の多くが生息する熱帯雨林の破壊や地球温暖化が加速し、生物多様性の世界は劣化し続けています。野生生物の生活圏に人間が深く侵食することで、野生動物に潜んでいた未知のウイルスが人間社会にスピルオーバー(拡散)することもあります。その結果が、SARSウイルス、HIV(エイズウイルス)、そして新型コロナウイルスなど新興感染症の出現につながっているわけです。

もともと生物多様性がつくる生態系は持続的循環システムでした。太陽光エネルギーで植物が育ち、その植物を草食動物が食べて、その草食動物を肉食動物が食べるという関係でつながり、すべて生物は無機物と化して、また植物の栄養源となる。基本的なルールは一つ。「強いものほど数が少ない」というピラミッド構造であることです。

しかし人間は77億という人口規模でピラミッドの頂点に立ち、化石燃料を掘り起こし、物質生産とエネルギーに充当しました。生物進化40億年の歴史でこんな生き物は皆無です。一方、生態系にはレジリエンス(復元)機能があり、定員を超過した生物は減らすという機能が働く。新興感染症は起こるべくして起こったということになるのです。

生物多様性は、人間社会を守るための安全保障でもあります。自然との共生社会を築くためには、人間社会と動物社会が双方の生活圏をわきまえ、互いの世界を侵食しない・させないという「ゾーニング」の考え方が重要となります。

また、過剰なグローバリゼーションをやめてローカリゼーションへ、そして持続的社会へとシフトする必要があります。その一歩が「地産地消」です。地場の農産物を消費するということだけでなく、地域が擁する資源やエネルギーを、地域レベルで循環させて安定した自立型社会をつくるという意味です。生物多様性と人間社会の持続的関係の第一歩はここにあると思います。

講演のまとめ

  1. 1生物多様性の世界は劣化し、野生動物に潜んでいた未知のウイルスが人間社会に拡散し始めた。
  2. 2自然の循環型社会の構造は、人間によって破壊され、生態系の復元機能が働き始めている。
  3. 3生物多様性は人間社会を守る安全保障。「地産地消」で持続型・自立型社会をつくる方向へ。

ドクター夏秋の愛するマダニとトコジラミの話

夏秋 優(なつあき・まさる)先生兵庫医科大学 皮膚科学 教授

夏秋 優 先生

世界中で5万種以上、日本でも2000種類ほどのダニが、人類の生活環境で共存しています。一般に嫌われ者ですが、悪者ばかりではなく、害虫に寄生したり動物の死骸などを分解する有益なダニもいます。

私が愛するマダニは、大型の種で体長2〜8ミリ程度。野生動物に寄生して、日本では40種類ぐらいが生息しています。

マダニの怖さは感染症です。ごく一部ですが、体内に何らかの病原体が共存している場合があって、吸血の際に皮膚に注入されると感染症が起こることがあります。刺された時、早く気付けばピンセットでつまんで除去できますが、3日以上食いつかれた時は無理に引っ張ると口の部分がちぎれて残る場合がありますので、すぐ皮膚科を受診してください。野外活動をする際は、長袖・長ズボンを着用し、虫よけスプレーを活用します。足元含め、ムラなく塗り拡げることが大切です。

最近宿泊施設内などで繁殖が問題になっているのがトコジラミ(別名ナンキンムシ)です。壁、ベッドの周辺、畳の裏などの隙間に生息し、夜になると出てきて寝ている人の皮膚から吸血して成長します。カバン、衣類、書類や家具などを介して、卵、幼虫、成虫が宿泊施設や他の住宅にも拡散するので注意が必要です。

トコジラミはマダニと違って感染症は媒介しません。吸血しても病原体を人体に注入しないからだと言われています。かゆみや赤みは市販の虫刺されの塗り薬で改善しますが、駆除が重要です。しかし、完全な駆除はご家庭では困難で、プロの駆除業者に依頼するのが確実です。

私はダニをはじめ様々な毒虫を飼い、自ら刺される実験をしてきました。その虫に刺されたら、皮膚がどうなるのかということを正しく知りたいからです。真実を知るための科学として適切な知識を持って行っていますので、皆さんは決して真似をしないようお願いいたします。

講演のまとめ

  1. 1マダニは感染症の恐れがあるので、長く食いつかれた場合、無理に引っ張らないで皮膚科受診を。
  2. 2野外活動の際は長袖・長ズボンを着用し、虫よけスプレーをムラなく塗り拡げて活用することが大切。
  3. 3宿泊施設などで繁殖しているのがトコジラミ。卵や幼虫・成虫が衣類などについて拡散する。

コロナ禍でも注意“蚊でうつる病気”の予防

濱田 篤郎(はまだ・あつお)先生東京医科大学病院 渡航者医療センター 特任教授

濱田 篤郎 先生

新型コロナウイルスの流行は、他の感染症対策にも影響を及ぼしています。例えば本来毎年行うべき蚊の駆除が停滞しており、蚊に媒介される感染症が世界的に拡大しています。2014年に東京周辺でも流行したデング熱は、昨年シンガポールで過去20年の中で一番多い3万5千人の患者が出ました。マラリアは世界の熱帯、亜熱帯地方で流行しており、WHOの試算ではアフリカ地域の感染死者数は今年倍増すると予測されています。

他に蚊によって媒介される感染症としては、黄熱、ジカ熱、日本脳炎、フィラリアなどが挙げられます。日本脳炎以外、国内での流行はみられませんが、コロナが収束して海外渡航者がまた2000万人を超えるようになると、国内で流行する可能性がないわけではありません。

デング熱を媒介する蚊は「ヒトスジシマカ」「ネッタイシマカ」、マラリアを媒介する蚊は「ハマダラカ」です。蚊といえば夜に刺されるイメージがありますが、ネッタイシマカの吸血時間は昼間です。それを知らないで、例えばバリ島で昼間に皮膚を露出して日光浴などをしていると、デング熱の感染リスクは非常に高くなります。日焼け止めの上から虫よけ剤をまんべんなく塗るなど予防が必要です。夜間、室内では虫ケア剤や蚊取り線香などのほか、蚊帳も効果的です。

東南アジアから来日する旅行者や労働者の方が、母国でデング熱にかかっていた場合、日本の蚊にデング熱のウイルスを伝播し、日本国内で流行を起こすということも十分考えられます。

訪日外国人の数はこれからさらに増えていくでしょう。グローバル化社会の今日、蚊が運ぶ感染症の問題は、海外だけでなく国内でも細心の注意が必要です。皆様も日頃からぜひ効果的な蚊の対策をしていただきたいと思います。

講演のまとめ

  1. 1新型コロナウイルス流行は、デング熱をはじめ世界の感染症対策にも影響を及ぼしている。
  2. 2蚊が媒介する黄熱、ジカ熱、フィラリア、日本脳炎なども海外渡航者増加とともに流行する危険性も。
  3. 3グローバル社会で人が行き来する中、蚊が運ぶ感染症問題は国内外で細心の注意が必要。

虫でうつる病気とその治療

忽那 賢志(くつな・さとし)先生国立国際医療研究センター 国際感染症センター 国際感染症対策室 医長

忽那 賢志 先生

地球温暖化によって蚊の活動領域や活動期間が広がり、蚊が媒介する感染症も世界中で広がっています。

日本でも流行したことのある蚊媒介感染症「デング熱」は、潜伏期が1週間弱。発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状が見られ、熱が出るころに発疹が出ることがあります。1回目の感染より2回目の方が重症化してデング出血熱になりやすく、2回目は100倍重症化しやすいという報告もあります。

「ジカウイルス感染症(ジカ熱)」は、リオデジャネイロ五輪の時にブラジルで流行して注目されました。今もアジア、中南米で症例が報告されています。これも蚊媒介感染症ですが、時に母子感染、輸血、性交渉などでも感染することがあります。

国内で感染するダニ媒介感染症の中で、ツツガムシ病、日本紅斑熱は特に感染者数が多く、年間400〜500例ほど報告されています。どちらも発熱、頭痛、関節痛、皮疹が出るのが特徴です。登山などでツツガムシやマダニがいるような所に行った後、熱やブツブツが出るようであれば、早く病院を受診してください。

「重症熱性血小板減少症候群」(英語の頭文字をとって「SFTS」)もマダニから感染します。現在年間80例程度報告されていますが、怖いのは抗生物質が効かず、致死率が非常に高いことで、致死率は最大30%といわれています。日本では西日本に偏っているのが特徴で、これはダニがウイルスを持つ保有率の違いに起因するものと思われます。

これらの感染は、マダニだけでなく、ペットのネコや動物からの感染事例も報告されていますのでご注意ください。

虫が媒介するウイルス感染症を予防するには、まず蚊やダニに刺されないことが大切です。山歩きなどをする場合は、ディートなどを含む虫よけ剤をしっかり塗っていただくということが重要です。

講演のまとめ

  1. 1地球温暖化により蚊の活動領域が広がり、蚊媒介感染症が世界的に広がっている。
  2. 2国内ではツツガムシ病、日本紅斑熱などダニ媒介感染症が多い。症状があればすぐに受診すること。
  3. 3虫媒介ウイルス感染症の一番の予防は、蚊やダニに刺されないこと。虫よけ剤で十分な対策を。
セミナー参加者からあらかじめ寄せられた質問に、講演者の先生方が答えました。

「虫ケア」は虫の正しい知識から

キャンプ場での効果的な虫よけは?血液型によって蚊に刺されやすい・にくいがあるの?地球温暖化で虫の生態系にどんな変化が?

【参加の先生方】五箇公一先生、夏秋 優先生、濱田篤郎先生、忽那賢志先生

司会
最も多かった質問で、「人の血液型や体格によって、蚊に刺されやすい・にくいの違いはありますか?」と寄せられています。
夏秋
血液型の差は日常の中で違いが出るほどではありません。あまり気になさらず、むしろ汗をかいたとか、お酒を飲んで息に炭酸ガスが出やすくなったなど、蚊が寄ってきやすい状況にご注意ください。
トークセッション
司会
「キャンプで子どもがよく虫に刺されます。家族でできる効果的な虫よけ対策を教えてください」
夏秋
半袖半ズボンは「どうぞ刺してください」と言わんばかりです。熱中症に注意しつつ衣類で肌を覆いましょう。虫よけスプレーをお子さんに使う時、大人が手に噴霧し、顔や首筋に塗ってあげるのがコツです。汗をかいたら落ちるので塗り直すようにしてください。
司会
「コロナが注目されていますが、虫が媒介する感染症について、国内外の現状はどうなっていますか?」
忽那
蚊媒介感染症は世界中でまだ流行が続いています。ただ国内では渡航者が大幅に減っていますので、デング熱、マラリアとも激減しています。しかし今後国際旅行が復活すると増える可能性はあると思いますので、油断はなりません。ダニ媒介感染症はコロナに関係なく報告数はほとんど変わりがありませんので、引き続きご注意をいただきたいと思います。
司会
「気候変動と虫の繁殖の関係について、また生態系の変化と感染拡大のリスクについて」という質問です。
五箇
温暖化で気候が変わって、減る生き物もいれば、増える生き物もいます。ネッタイシマカのような熱帯に棲む害虫は北限が北上してくるだろうし、ヒアリのような危険な外来種も従来の分布域を超えて定着しやすくなるでしょう。また都市化の影響で従来の生息環境が改変され、年中暖かいエリアができており、セアカゴケグモのような熱帯産のクモなどがどんどん北上しています。害虫類、病原体が分布域を広げつつあるというリスクを予測して管理を進めていく必要があります。
司会
「アフターコロナの時代に、海外との往来などで気をつけることはありますか?」という質問です。
濱田
グローバル化というものが見直されるかもしれませんが、海外との往来は再び増えるでしょう。しかしこれからの時代は「ウィズコロナ」ですから、国際間の移動についてはワクチンを接種したかどうかをパスポート的にチェックを受けることになるのかなと思います。また、今海外ではコロナの影響で公衆衛生対策が大きく後退している所があります。蚊媒介感染症が拡大している途上国などに行く場合には、感染症全般の予防が必要です。
司会
先生方、本日はありがとうございました。
虫よけ剤の正しい使い方虫よけ剤の正しい使い方

ご挨拶

感染症トータルケアカンパニーとして

川端 克宜(かわばた・かつのり)アース製薬株式会社 代表取締役社長

川端 克宜 代表取締役社長

従来、虫に対処する薬剤の名称として「殺虫剤」という言葉が一般的でしたが、いま私どもアース製薬ではその呼び方を、あえて「虫ケア用品」という呼称に変えております。虫を必要以上に怖がったり、ただ虫を「殺す」ということではなく、「正しい知識を持って、正しくケアをする」ことを啓発すべく名称を変えました。もちろんその根底には、感染症を引き起こす危険な害虫から皆様の命を守っていきたいという願いがございます。

虫を媒介とする感染症は多種あります。症状も対処法も様々で、正しい知識が伝わっていないこともあります。だからこそ、「感染症トータルケアカンパニー」として、アース製薬にできることはまだたくさんあると考えております。

これからも虫ケア用品の正しい知識と啓発に努め、日本はもとより世界の虫媒介感染症が少しでも減るように貢献してまいります。

アース虫ケアセミナーが、皆様とご一緒に感染症をトータルな視点で考える機会になればと願っております。